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Posted by TI-DA at

2015年11月21日

映画祭ディレクターより、KIFFO公式3作品&前夜祭の紹介!!

いよいよ映画祭も明日からスタートです!

KIFFOのプログラムには目を通しましたか?

11月21日(土)の夕方18時からは、沖縄県立・博物館美術館屋外展示場で、KIFFOの前夜祭が行われます!



「家族っていいね!」60秒映像のコンテストでは、なにげない家族の日常にほっこりあったかくなる作品がたくさん集まりました。グランプリのトロフィーと、ファミチキ100本は、誰の手に!!

そして、戦後60年記念として制作され、第14回FNSドキュメンタリー大賞で特別賞にかがやいた「むかしむかしこの島で」は、10年たっても色あせない名作ドキュメンタリーです。戦争のときに記録されたアメリカ軍の記録と、実際の今の沖縄と照らし合わせる上原氏とディレクターの山里氏の物語は、まるで、ハックルベリーフィンの冒険をみているようでもありました。皇民化教育のために死にゆくひともいれば、反戦平和のプロパガンダのために消された笑顔の記録もあった。「事実を発掘した」ふたりの冒険者が見つけた映像のさきにみる、つらい戦争を生き残った人々の笑顔には、感きわまるものがあります。今だからこそ、みてほしい。そんなドキュメンタリーです。この日は、なんとディレクターも登壇し、Q&Aも行われます。入場無料です。ぜひ会場に、足を運んでくださいね!

「ハルをさがして」/日本/90分/尾関玄監督

福島からの自主避難した女の子にほのかに恋心を寄せるイケてない中三男子たちの珍道中を描いた映画が、「ハルをさがして」です。

3.11のとき、わたしはたくさん後悔しました。今までなんで原発についてこんなにも無知だったのか。知らなかったのか。「クリーンエネルギー」という言葉をまにうけ、思考停止に陥っていたこと、地震大国の日本に都道府県の数より多い原発がある異常さに全く無関心だったこと。たくさんの後悔があり、たくさん勉強しようとおもったのでした。でも、1年たち2年たち、目の前の自分の仕事におわれていくうちに、3.11のときに感じた衝撃や後悔や、悲しさが、日常生活におわれて、遠い出来事のように思えてきてる・・・自分に対する後ろめたさから、いまでも続く被災地の苦労、福島のことから目をそむけようとしている自分がいたことも事実でした。
「ハルをさがして」には、怒りと悲しさだけでない、福島が描かれていました。「たくさんの情報がありすぎて、どう取らえていいか、わからない」福島のそのままが、中学3年生の視点でえがかれていました。いままでみた福島を描いた映画のなかで、いちばん、「自分だったらどうするだろう」と福島を身近に思った映画でもありました。


「この映画は、青春映画です。」といいきる、尾関監督。映画の構想を練っていたときに目の当たりにした3.11の話をうかがったとき、日本人の数だけ、3.11へ対する想いが存在していることを、改めて思いました。11月22日、23日とも尾関監督とのティーチイン(質疑応答)があります。ぜひたくさんの人にみてほしい映画です。


「赤い船のローラ」/ドイツ/90分/トーマス・ハイネマン監督


自由奔放に生きるママと二人暮らしのローラは、ハウスボートに住んでいて、気が強くて馴染めないことからクラスでは孤立している女の子。そんな彼女のクラスに、謎めいた転校生ルビンがやってきた。おなじくクラスになじめない彼とローラの間に友情がめばえる。

この作品の個人的にみてほしいのは、ローラはもちろん、こんなシングルマザー、映画やドラマでみたことない!って思ったほど生き生きとしているローラのお母さん。思わず、真似て髪をきりました(笑)。
 社会的困難な状況で、こどもの貧困も描かれていて、ふと小学校のころの自分のクラスのことを思い出しました。
そして、こどものいじめは、友達のゲームの一環として、無邪気に行われる現状も鋭く描いています。「人と違う」ことを理由に、簡単にひどい言葉を投げつけることができる子がいる。気の強いローラは、一線をこえた相手には黙ったままではないのです。ジャイアンとスネ夫的なキャラがいたりと、勧善懲悪な単純さがありつつ、楽しんで、考えることができる映画です!

KIFFOの将来像は沖縄で1000人の会場を、好奇心いっぱいな子供たちでうめつくすこと!ですが、この夢のモデルとなっているのが、このblogでも紹介した、ドイツで毎年2月に行われるベルリン国際映画祭のジェネレーション部門です。こども国際映画祭in沖縄<KIFFO>でも採用している、こども審査員のモデルともなっています。こどもときから、社会問題や世界の様子を、映画を通じて、見せて考えを促すこと、という映画祭の方針があり、映画上映後の会場は子供達がQ&Aで監督や出演者に質問をするために長蛇の列ができます。「小さな大人」がこどもだとしたら、過度に「こども扱い」して「難しいからダメ!」と映画をシャットアウトするのは、間違ってるかも!と思った瞬間でもありました。

 ドイツのベルリン国際映画祭ジェネレーション部門は豊かな「こども映画文化」の育っているヨーロッパのなかでも、歴史も古く、注目しています。映画祭初日11月22日は、ドイツ総領事と琉球大学学生の有志によるトークイベントも行われますので、たくさん質問してみましょう!

「レインボー」/インド/105分 ナゲーシュ・ククヌール監督


幼い頃両親と死別し、父親の兄弟の家で育てられているチョトゥ(8才)と姉のバーリー(11才)。アクション映画スターのポスターを勘違いした姉バーリーは、映画が大好きな弟の視力を戻そうと、ふたりで旅にでることを決意する。小さなふたりの無謀な旅は波乱万丈で大人がみてもハラハラします!

映画との出会いは、ときどき運命的です。今年2月にベルリン国際映画祭で出会った「レインボー」がまさしくそうです。

実は昨年、10年来の友人が、視力を失う難病「網膜色素変性症」と診断されました。カナダでの映画修行時代に出会った沖縄の友人はモントリオールで芸術大学を卒業後パテシエの道をめざして猪突猛進する努力と才能の人でした。昨年、検査のために沖縄に帰ったとき、はっきりと申告されました。
 ずっとアートに関わっていた人間から視覚が奪われる。なぜ友人でなければいけないのか。あまりのできごとに、わたしはしばらく、彼女にかける言葉がみつかりませんでした。
 でも、沖縄でひさびさに顔をあわせ、モントリオールにいたときのようにバカ笑いしていたら、当たり前のことに気づきました。それは目がみえなくなっても、彼女は、変わらず彼女であることでした。
 「レインボー」をベルリンでみたとき、目の見えない8歳の男の子チョトゥの魅力にひきつけられました。クソ生意気で口が達者、大人のウソに敏感で曲がったことが大嫌い。「障がいをもっている」ということもチョトゥの魅力のひとつにさえなっていた。「目の見えない子」とひとくくりにされないパワーがそこにありました。

 先日、友人に紹介をお願いして、沖縄視覚障害者協会を訪ねました!実は、目のみえない人たちにもこの映画を「聞いて」もらいたい、という思いもあり、「レインボー」の日本語吹き替えを最優先しており、なんでも話し合える仲の、友人に作品をみてもらいました。
率直な感想は、「視力を取り戻すことが目的なので、当事者にとっては辛い人もいるかもしれない」というものでした。

でも、「後天的に障がい者となってから日本にもどったときに気づいたことは、障がいを持つ人への理解・おもいやりが一般に圧倒的に足りていないこと。「邪魔」とか「ぼーっとするな」と言われてひどく傷ついた。だからマイノリティである視覚障がい者が、みんなと変わらない人間のひとりだということを、小さいときにわかってもらえるっという意味では、こどもときにこそみてほしい作品だと思う。」友人の言葉に、この作品を選んでよかったと、改めて思いました。映画は、ドラマ部分は日本語吹き替え、歌の部分はヒンドゥー、そして英語字幕付きなので、外国人の友だちとも共有できます。


友人と、わたし、沖視協の事務局長玉城さん。

沖視協で1500円ぐらいで購入できる点字用、器具!カラフルでかわいかった。みえにくいけど、映画は考える冒険だ、の部分に、「レインボー」という作品タイトルが打たれています。

そして、「レインボー」とはそれますが最後に、うれしいお知らせです。沖縄ミ二エンナーレをご存知ですか?

いま様々な場所にパンフレットがおかれていますが、沖縄県芸術祭を中心に、この時期に行われる県内の芸術イベントの総称です。KIFFOも紹介されています!そこの展示部門の美術部門の最高賞をとったのが、このわたしの友人・山城道さんの作品なのです!

ぜひ、映画祭期間中無料で展示されていますので、映画祭とともに、ぜひご覧になってください。